_________________________________
「楽しかったねー水族館!」
水族館に着いてからずっと上機嫌な葵チャンは、水族館を出て、近くの海にやってきても上機嫌のままだった。
「海………テレビなんかで見るより全然……広くて大きいね……」
今時海を見たことないというのは珍しいことでもないのかもしれない。
葵は砂浜に降り立った瞬間から足が動かないでいた。
「砂浜の砂ってこんなにサラサラなんだ……」
海が初めてということは砂浜も初めてなんだな。
「昔ね、夏休みに海に行くっていう美結に無理を言ってね、砂浜の砂を持って帰ってきてってお願いしたの。
そしたらね、本当に美優は持って帰ってきてくれたんだ。
それでね、学校に来て、鞄から出したらね、砂を入れてた袋が破れてて、砂が全部カバンの中にこぼれてたの。
それから美結は砂浜は行きたくないって言っちゃったんだ。」
「歌田さんの黒歴史だな」
「うん」
そう言って葵は遠くを眺めながら言う。
昔から2人は仲が良かったんだな。
「もっと近くへ行こう」
そう言って葵の手を引いていく。

