「蓮……ありがとう…」
そう顔を綻ばせる。
今日初めてだな……俺自身で葵を笑顔にしたのは。
「あ、サメだよ、サメ!」
そう言ってまた俺から離れて駆けて行ってしまう。
今日はそのくらいがいい。少しもどかしいぐらいが…。
「葵」
「なに?」
柔らかい表情で俺を振り向く葵に近づき、水槽の前の葵の隣に立って自然と葵の手を掴む。
葵の体がこわばるのがわかる。
「葵どこかにいっちゃいそうだから。許せよ?」
「……うん…」
そう言って少し頰を赤めて俯く。
「こわばらないで。
俺の隣にいる時は……葵に安心してもらいたい…」
「蓮……」
俺が隣にいる時は…葵を守る最高のナイトが側にいるということ。
恥ずかしい…そんな気持ちじゃなくて……俺がそばにいることで…安心してほしい。
俺が隣にいてくれて良かったと。
そう言うと葵の手を握る力が強まる。
ふと葵の方を見ると、さっきよりも真っ赤に顔を染めている。
「かっこつけすぎ……//」
こういう時の彼女はやっぱり可愛げがない。
でもわかる……。これは葵の照れ隠し。

