「今ここの行……」
前の席の女は親切に指でどこの英文をしてるか教えてくれる。
なんだ、優しいやつもいるじゃねーか。
「あざっす」
と、指さされた英文を見るが、これは英単語なのか?
芸能科で俺が最後に受けた英語の授業では、初めは自分の自己紹介しかできなかったサトシくんという日本人の男の子が、やっと日常会話を話せるようになったところだったのに…。
見たことのない英単語の羅列。
芸能科では会話文重視だったのに…。
というかもはや会話文ではない、論文か?
普通科…恐るべし。
「じゃぁつぎの文〜、えー、じゃぁ瀬田、読んでみろ」
「え…はい………」
書かれているのは、
Italy used to be the largest manga market in Europe, but official sales figures are not made public.
………って長ぇ!!
これで1文?
まじかよ。
「ほら、読め」
「は…はぁ……」
とりあえず…わかる単語もあるはずだ……。
「……い……いたりぃー…」
次の単語は…useの過去形か??
えーっと……
「ゆーずどぅ……とぅー………」
「おい……瀬田?」
「あ、はい?」
読み方を真剣に考えていた俺に先生が声を掛ける。

