順路に沿っていくとすぐに見つかった彼女。
またまた手を水槽に付いて目を輝かせて覗き込んでいる。
「何見てるの?」
なんとなく普通に声をかけてみる。
どんな反応をするだろう。
「見て。クラゲ。こんなに種類がいるなんて知らなかった…。
ほら、変な形のもいる!!
偏見って怖いね………」
どうやら彼女はクラゲを見るのが初めてなのだろう。
彼女は水族館を楽しんでいる。俺を意識する以上に……。
そうだよな。せっかく来たんだし楽しまねーとな!
「透明で透き通ってて本当に綺麗……。
クラゲだけなのにこんなに世界観があるんだね」
俺も見たことないクラゲがたくさんいて興奮する。
クラゲがこんな綺麗だなんて思わなかったな…。
「次こっち!!」
そう言って俺の手を取る彼女。
葵から手を握ってくれるなんて……初めてだ。
「タツノオトシゴ……小さいんだね。思ってたよりも」
魚よりも魚の形でない動物の方が気になる彼女が面白い。
「思ったよりもゴツゴツしててかわいくないね」
「ははっ、確かに」
やっぱり単純に楽しい。
葵といるのが…楽しい。

