「こんなところでやめてよ!」
「こんなところだからじゃん。
なんかスリルがあって面白い」
そう言って私の方を見てニコニコ笑ってる蓮。
朝からこんなんだったら最後まで持たないよ…。
「ばか」
もう口癖になりつつある暴言。
ほんとつくづく可愛げがない。
「いいよバカでも。
葵が水族館を楽しめなくなるくらい、俺のことしか考えられないようにしてあげる」
「なっ………」
そう言ってどこかの国の王子様のように、手の甲に口付けをする。
そんな姿も様になってる蓮。
さすが俳優……やり慣れてる…。
「初めから蓮しか頭にないもん。バカッ」
「え?」
そうして呆気にとられ力の抜けた蓮の手を払って蓮を置いて一人次のブースへ進む。
初めから蓮の事しか頭にない。
せっかく楽しみにしてた初めての水族館なのに、昨日の夜から今日の待ち合わせまでも、ずっと頭にあるのは蓮のことばかり。
私……本当に蓮の事が好きなんだ……。
そう実感させられる。

