「というか俺は杉浦みずきに同情するよりも、俺にヤキモチやいて欲しいんだけどなー」
少し頬を赤く染めながら目を合わさないようにそっぽを向く蓮。
「ばーか」
絶対ヤキモチなんて妬いても言わないもん。
「なんかムカつく」
「私は初めてだもん。全部。」
俳優の蓮にとってはキスなんか挨拶なのかもしれない。ハグなんて日常生活の一部かもしれない。
でも全部私は初めてだ。
「いいじゃん。俺が初めから全部教えてやれるなんて…こんないいことない。
でも今日は終わり。楽しみはいつかにとっておくもんだろ?」
そう言って立ち上がって私に手を差し伸べる。
朝はこの手を取らなかったんだよね。
本当に私って可愛くない。
「葵に握ってもらいたいんだけど?」
「っ………//」
恥ずかしいながらおずおず手を伸ばし、蓮の手に合わせる。
「やっと素直になってくれた」
そうして蓮はにっこり微笑んで、家まで送ってくれたのだった、

