「瀬田祐樹です…。
これからよろしくお願いします…」
声ももちろん少し暗めの声を出す。
気づかれては困るのだ。
「えーっと、瀬田の席は…あそこだな」
と、担任が指す席は窓際の一番後ろ。
なんていい席なんだ。
場所を確認し、すかさず席に向かう。
「堤。お前が瀬田にいろいろ教えてやれ、今日日直だし、日誌のことやらも全てだぞ」
「げ、なんで私がそんなこと…」
俺の隣の席に座るツツミさんはあからさま嫌な顔をする。
別に俺だって教えてもらいたかねーよ。
「頼んだぞ、堤。
さて、授業を始めるぞ、えー、ページは…前の続き、レッスン6の24ページだー」
教科書を開けと言われても、持ってねーし、なんの教科書かもわからない。
「瀬田の教科書は全部机に入っている。
教科書はプログレスという英語の教科書だ。」

