蓮と回りたい。
きっとそれは瀬田の姿じゃない、本物の及川蓮と回りたいということだろう。
正直に嬉しい……。
「暮人!!」
「おぉ……って蓮か。地味すぎて誰かわからなかったよ」
瀬田祐樹の姿で、元俺のクラス、いわゆる暮人のクラスへ行く。
「なになに、何しに来たの」
「俺を及川蓮ってわからない変装にしてほしい」
「は?今のままで十分わからないんだけど!」
暮人のクラスは芸能科だけあって、コスプレ館をしている。
来てくれた客をアイドルのように好きな格好にコスプレさせる。
「こんな地味すぎるのは嫌なんだよ。
ある程度俺ってわかってわからない感じにしてほしい!」
「いや、無理でしょ普通に」
無理って言うなよ。
でも瀬田祐樹のこのダサい格好でいる限り、俺は瀬田祐樹として葵に接しないといけない…。
「無難にいつも通りの変装にすれば?
芸能科に朝来るときとかのさ。
メガネしかしてなかったじゃん。
これだけ人多かったらそれで十分じゃない?」
おー!ナイスだ暮人!!
「でも俺、ダテメ持ってないんだけど」
俺が持ってるのはダサダサメガネだけ。
「それくらいは俺らが貸してやるよ。
その代わりこのカツラとメガネは預かってやるよ」
「さんきゅー!!」
そして俺はなんともラフな、及川蓮の姿にメガネだけをすることになった。
服も普通科の制服ではマズイので、スーツを貸してもらった。
よし、これで葵のところへ戻ろう。

