「なめてねーし……。
というか何で電話してきたんだよ……」





『………ちょっと嫌な噂を聞いたから落ち込んでないかなー？って』






やっぱり暮人も葵と樫月くんが付き合ってるっていう噂を聞いたのか。





「噂って怖いよな。でも安心しろ、それは嘘らしいから」





『あれ、そうなの？なーんだ。心配して損した』





芸能科にまでこんな噂が広がってるんだな…。
こうして葵の人気ぶりを実感する。






『あれ、でもデマってわかってるのに機嫌悪いのはなぜ？』





相変わらずどこか鋭いな。これも親友だからなのか？





「…………その噂のやつに告白されたんだってさ。」





『あれ、付き合ってはないけど告白されたんだ？』





「そう」





葵は迷っている……。
でもそれは好意があるから迷うんだろう？





『……まぁ付き合ってないならいいじゃん？
とりあえず当たって砕けろ！』





「砕けちゃダメだろ」





『あれ？』





今までなら俺もこんな風にバカやってたんだよな。
でも葵のおかげで勉強に向き合って、ちゃんと予習復習も身についた。


全部葵のおかげだ。




あー、暮人と喋ってたら自分の考えてることが小さく見えてきた…。





「暮人。ありがとうな、なんか元気出た。
俺、明日葵に告白する。
振られたらなぐさめろよ」