「俺はずっと葵の上のこと見てたから、葵の上がいつも誰を見てたかなんて……わかるよ」
「………恥ずかしいよ」
そう言うとまたははっと笑う樫月くん。
私はそんな樫月くんの気持ちに気づかなかったんだなぁ…。
「瀬田のどんなところが好き?」
「…………答えないとダメなの?」
「もちろん…」
正直恥ずかしい。本人じゃない人に告白してるようなものだ。
「優しくて…強くて………自分をしっかり持ってて……。
諦めが悪くて…めんどくさがりで…自由なところ…」
「………最後の方は悪口だったよ」
………蓮の好きなところ。
蓮の悪いところを含めて……全部好きなんだ…。
「完敗。
でもこれからも仲のいい関係でいてよ」
「こちらこそお願いしたい」
樫月くんは本当にいい人だ。
チュッ
「……………………!?」
「これぐらいは許してね?
じゃぁまた明日。葵の上」
そう言って扉をでて帰っていく。
……今……ほっぺにキスされた………。
樫月くんって…思ってるよりもずっとチャラい……。
こうして文化祭1日目は無事(?)終了した。