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『すっ好きな人なんていないよっ//』
「そうかな、俺の目にはそうは映ってないんだけどな…」
顔を真っ赤に染めた女子高校生……杉浦みずきに近づき、片手で杉浦みずきの顎を持ち上げる。
葵はなんと答えてくれるだろう。
好きじゃないと……言ってくれるのか?
『ちっ、違うもん…。
雅也君とはただのお友達で……』
お友達。葵にとってはそれは俺のことか?それとも樫月くんのことか?
「……………俺は?俺はお前の何?」
杉浦みずきの瞳が見開かれる。
そりゃそうだ。まだここは台本が続いてる場所。アドリブの場所はまだここじゃないのに、俺は違う言葉を言っている。
これは……俺が葵に聞きたい言葉……。
『…………瀬田くん……は……。』
伏し目がちに話す様子は葵にしか見えない。
葵はまだ俺のことを瀬田と呼ぶのか?俺は及川蓮だ。
「…………痛いよ………胸が」
『え?』
そう言って、額と額を合わせる。
辛い……。あの時と同じだ。
テストの成績発表の後の……データ資料室での葵とのやりとりを思い出す。

