俳優と、恋愛と。





「瀬田?」





「あ……歌田さん…」





「もしかして……葵のこと知ってた?」





昼休み。
歌田さんは親友の葵がいないので俺のところによく来る。





「どのことですか?J大に行くことですか?」





「違うわよ、樫月くんのこと。」





「…………」




知らなかったと言えば嘘になる。
でも信じたくなかった。
葵が樫月くんに気があることは…わかってたけど…。



「朝……屋上に行く2人を見かけて……後をつけたら……」





「瀬田も見ちゃったんだ」





夢であってほしいと願う俺の思いは呆気なかったな…。




「私は……信じてないから」





歌田さんは…強いな……。




「……瀬田だって……信じてないでしょ?」






信じなくてもいいなら信じたくない。
でも俺は歌田さんと違ってリアルに見てしまったんだ。

そんな俺は目を背けることしかできない。




「っ……やっぱり瀬田はダメ男だよ!
なんで……好きなんじゃないの?
どうして諦めちゃうの?どうしてそんなに落胆するの?

まだ何もわからないじゃない……。
誤解かもしれないじゃない!!!

なんでそうやって諦めちゃうの?
本当の気持ちだって聞いてないくせに。

葵がなんと言おうと、今の瀬田はダメ男よ!」






そう言って自分の席に戻って行ってしまった。