「葵ちゃん、優しいし押しに弱いから、嫌々引き受けたらしくて。
まぁ葵ちゃん可愛いからクラスのマドンナでしょ?だからみんな期待してたのよ〜。
それで劇は大成功。金賞とっちゃったんだから。」
財宮司学園では文化祭は基本的に
1年が劇、2年がイベント、3年が映画製作らしい。
その3つの部門に分かれて順位が決められる。
「でも結果的にいいことですよね?
なんで機嫌悪くなるんですか?」
「葵ちゃんにとったら黒歴史なのよ。
劇の後も色んな男の子に絡まれてたし、写真を撮って欲しい子が同期以外にも大勢いて行列作ってたし。
ろくに楽しい文化祭送れなかったんじゃないかな?」
葵は確かに可愛い。
これは俺の好きという感情のフィルターを通してとかじゃなくて、実際に顔はその辺のモデルに負けないくらい美人。
普段化粧はしてないけどしたらもっと可愛いんだろう…。
そんな子は文化祭で引っ張りだこで去年は楽しめなかったと……。
「今年は楽しませてあげますよ」
「ほんと、ムカつくくらいいい顔なんだから。
さ、さっさと準備しなさい。撮影行くわよ」
「はい」
琴李京香が姉の目ではなく監督の目に戻る。
文化祭を楽しむために撮影も全力で頑張らねーと。
そして俺は化粧室へ向かった。
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撮影も無事に終わり、1日経ってまた学校へ。
学校へ着くと葵の姿が見えた。
声をかけたいけど今の俺は瀬田祐樹。下手なマネはできない。
でもよく見ると……葵は一人じゃない。
前を歩くのは……樫月くん……。
向かっている方向は屋上?
2人でどこへ行く……?

