それに琴李京香はいち早く気づいたんだ。
たった一度、俺の演技を見ただけで。
本当に…尊敬してしまう。
「俺、覚悟決めました。
絶対に、この映画で主役やります。
そして、琴李京香さんを、ギャフンと言わせてやります」
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なかなか生意気だったと思う。
最後の方はもうタメ口だったし。
それに、あんな大口叩いて宣言したものの、自信はこれっぽっちもなかった。
琴李京香の部下から渡されたカツラはボサボサの真っ黒の髪で、メガネはだて目のようなラフなものでもなく、銀縁の厚みのあるメガネ。
確かにこれならばれないけど。
こんな、The地味男で、恋愛なんてできるのか!?
普通科として生活を送る俺は、東門から通うことになる。
この通り、財宮司学園は広いため、普通科と芸能科で最寄り駅も変わるのだ。

