「じゃぁ俺も学校以外では名前で呼んでやるよ」
「なんでそんなに上から目線なのよ」
「あーー、お前めんどくせぇ……」
でた、瀬田の口癖。
”めんどくさい”しか言葉のボキャブラリーはないのか。
「呼んでみろよ、葵」
「………………」
「………………」
「気安くしないで」
「本気で可愛くない」
こういう時、女子はキュンと来てしまうものなのだろうか。
でも少しびっくりした。
気になる男の子に名前で呼ばれるなんて……。
「その呼び方やめてね。馴れ馴れしい」
「本当に葵ちゃんは女の子ですか」
「だから葵って呼ぶな!」
私は瀬田のことをどう思ってるんだろう。
気になる。確かに気になる。
他の男子とは違う。何か違う……。
「一つ言っとくけど、俺女嫌いなんだよな」
「………だから何」
「俺って芸能人だろ?
だから勝手に女子が寄ってくるんだよ。」
「芸能人のそういうところが私は嫌い」
お姉ちゃんの仕事には何回かついていったことがある。
その度に自分がかっこいいというスペックを持って、敬われて当たり前といった雰囲気で話しかけてくる。
だから嫌いなのだ。

