俳優と、恋愛と。







逃げてきたって何もないのに……。




そんなことを思いながら耳を塞いでベッドのそばにしゃがみこむ。





いつもこうだ。
怖い時も、不安な時も、逃げたくなった時だって…いつもこうやって私は…耳を塞いで……逃げてばかり。



こんなんだから私はいつまでもお姉ちゃんを越えられないんだ……。




__お前はお前だろ!?





「っ…………」




こんな時に瀬田の言葉を思い出す。
たくさん助けてもらった。
瀬田はたくさん助けてくれた……。

あれが全部嘘だったなんて思えない。



瀬田は瀬田。
及川蓮であろうと瀬田であることに変わりはない。なのに私は……。

ひどいこと言っちゃった……。





瀬田は今日は助けに来てくれない。
いつもは勝手に隣にいるくせに……。

本当に自分勝手……それは私か。




自分から突き放したのに、こんなこと思うなんて卑怯だよね。






「嫌われちゃったかな……」





つい勢いで言っちゃったことを後悔する。
瀬田………瀬田と話がしたいよ……。





コンコン……。