朝起きると、瀬田の膝に座って、抱きしめられて、抱きしめて寝ていた私。
恥ずかしさに声上げそうになったけど、瀬田がぐっすり寝ているのに気づいて、言葉を飲み込む。




寝たままでも眼鏡をしてるんだ…なんて思いつつ、こんなに近いと、データ資料室で瀬田と上唇が触れた時のことを思い出してしまう。





これ以上考えたくない……。
と思って、瀬田を起こさないように、ゆっくり瀬田の腕から抜けて、部屋を出た。





朝ごはんを作っていると聞こえてきた大きな音。
聞いただけで誰かが階段から落ちたんだなとわかった。




見に行くと案の定、瀬田が階段の下に伸びていた。
でも…体を起こした瀬田は……瀬田じゃなかった……。





及川蓮………。





会った回数も数える程だけど、しっかりわかる。
でもどうして及川蓮がいるのだろう。

いや……でもどこか……同じ人なんじゃないかって思っていた自分もいるような気がして…。




するとお姉ちゃんが私に謝る。




どうして謝るの?
どうして?隠していたから?隠していたとしても、瀬田は瀬田じゃないの?



わからない。




信頼していた人に、裏切られた?
瀬田は…そんなことしない……。




何を信じていいかわからない。




混乱した私は2人から逃げるように自分の部屋に逃げた。