「は?」
「?私の家」
聞こえてなかったのかと心配して二度答える篠。
いやいやいやいやいやいやいや。
俺男なんですけど?
女と個室に二人きりって?
それも恋をしている女の子に?マジですか?
それに…篠の部屋といえば……。
篠が酔って倒れた日の事を思い出す。
篠の部屋にはそういう思い出しかないのだ。
「まじ?」
「大丈夫よ?お姉ちゃん今日はいないから」
うん。知ってる。
今日は撮影のはずだから。
いや、家に誰もいない方が困るんだって…。
そんな俺の不安には目もくれず、淡々と歩いていく篠。
無防備にもほどがある……。
そんな考えを巡らしている間に篠宅へ到着。
相変わらず大きい家だ。
「どうぞ?」
「お邪魔します……」
そうだ。俺は勉強しに来ただけなのだ。
変なことは考えるな。
そう。勉強…………勉強に集中しよう。

