「お姉ちゃん。友達乗せて行ってもらってもいいかな?私だけ車で帰るのが気が引けて…」
「お、俺いいよ。普通に電車で帰るから!!」
篠は車のドアを開けて、顔を中に覗かせて姉である琴李京香に聞いている。
「でも……」
「もしかして噂の瀬田くん??」
そんな声が車の中からする。
知ってるくせにそんなこと言うなよ…。
というか琴李京香は俺と篠が知り合いだって知ってるのか?
「う、噂とか言わないでよ……」
どうやら篠は俺のことを琴李京香に話しているようだ。
「じゃぁ私も電車で帰る」
「「え?」」
「瀬田だけ電車で帰らせるわけにはいかないでしょ」
いやいやいや。篠の思考はどうなってるんだ。
どう考えたら一緒に帰ることになるんだ…。
「まぁ少年。家まで送ってあげるから乗りなさい。
葵も頑固だからこうなると譲らないよ〜」
どこか楽しそうな琴李京香。
それ以上に篠を電車で帰らす方が抵抗があるので、渋々車に乗ることにした。

