「それは予習?」
「テスト勉強に決まってるじゃない」
篠の持っているのは授業でも全く使われない分厚い問題集。
机の中に入っているけど、使っている人を見たことがなかった。
「テスト勉強、毎回それ解いてるのか?」
「そんなわけないじゃん…今回は本気だから」
「……………」
篠も本気で頑張っているのだ。
俺が勝手に決めた約束を、篠も守ろうとしてくれているのだ。
俺だけサボってるわけにはいかない。
「俺もやる。」
「え、?休憩は?」
キョトンとした顔で俺を見る。
そんな顔も愛らしい。
「俺も本気だから全力でやる。
俺も頑張るから」
「うん……」
また笑った……。
篠の笑顔を見ることができるのは限られてるけど、見れば元気が出る。
「いつも笑ってればいいのに」
「……………余計なお世話」
途端に不機嫌な顔になる。
言わなければよかった。

