「別にいいわよ、あなたがこの映画の役を降りるって言うなら、課題なんて与えないんだから…」
「………やってやろーじゃん……」
「何と無く感じてたけど、負けず嫌いよね。嫌いじゃないわよ、そういうところ」
「は?」
「あなた、財宮司学園よね?芸能科」
「そうですが……」
なんで俺の高校になんか興味持つんだ…。
本当になにを考えているのかわからない。
ピッ
そしていきなり琴李京香はスマホで電話をかけ始める。
なんなんだよ、早く課題を言えよ、めんどくさい。
「琴李ですが、…。
えぇ、えぇ……そこでお願いが……」
琴李京香は誰かと喋っている…。
誰だ?男の人っぽいけど…。
お願いしてるみたいだ……。
「無理を言ってすみません。
えぇ、それはこちらから話を通します……。
はい、ありがとうございます…。
ではそういう形で手続きお願いします…」
ピッ
「及川蓮。
あなたは、これから三ヶ月、財宮司学園、普通科に通って、恋愛をしてきなさい」
部屋にいた全員が唖然となり、琴李京香のいった言葉を頭でゆっくり処理した。
「は?」