去ろうとする俺を引き止めて、顔を真っ赤にして俺を見る篠は可愛くて仕方ない。
思わず抱きしめそうになる自分を抑えて話を聞いた。
結局自分の欲を止めることができずに額にキスをし、どこぞの恋愛漫画のようなセリフを捨て台詞にして去った。
ダサすぎる。
呆れられてたらどうしようか。
そんな不安が今更募る。
今まで女子に本気になどなったことなかったから、好いてもらう方法が全くわからない。
なんて恋愛初心者だ。
それに昨日の撮影ではやりすぎてしまった。半分反省半分満足…。
1度目の撮影後の休憩中。
必死に撮影したカメラとにらめっこしていた俺や杉浦みずきに構うことなく、つまらなそうな顔をしてそっぽを向いている篠。
そんな篠の顔を変えてやりたいと思った。
案の定、つまらないのかと聞くと、素直につまらないと答えたし。
自分の演技で篠を絶対虜にさせてやろうと思った。
そして台本にないセリフを言った。
まぁあそこのセリフはもともと気に入ってなかったしな。
全部篠に向けた、俺に向けた言葉。
俺たちは二人で前に進んでる…そう思ってもいいだろうか。
図々しいだろうか。
今は楽しい。普通科の生活。篠と送る生活が楽しい。
もうこれは重症だ。

