女なんて俺は嫌いだ。
それが俺だ。
そんな俺が恋をしていない、当然だ。
女には興味がないからだ。
俺はこのルックスでいままで女には困らなかった。
そのせいで俺は好きになるなんてことは全くなかった。
というか好きという感情がわからない。
「演技でわかるわ。
あなたは人を好きになったことがない。
あなたの演技では、この男子高校生、瀬田祐樹の恋心は伝わらない。
いまの演技では、本気で瀬田が花森香澄を好きなのかがわからない」
「な………じゃぁ俺は…」
失格ってことなのか?
というか、なんてやつなんだ…琴李京香…。
あれだけの演技で…どうしてお前はそんなことがわかるんだ…。
「あなたは映画の主役にする。
のは、まだ早い。」
琴李京香の考えていることがわからない。
それは俺だけでなく、この部屋にいる全員。
「あなたにはまた課題を与えます。」
「課題……だと……」