足りない……?
何が足りないんだ?
何が満足しないんだ?俺の完璧な演技に何が足りないんだ??
トンッ
「ここが……」
トンと音を鳴らし、琴李京香は俺の胸を人差し指で指す。
胸?心臓?
「ココロ……心。」
「ここ……ろ…?」
「あなたの演技の実力はわかったわ。
あなたがそれだけ努力してるってこともね。」
なんで俺が努力してるとかわかるんだ?
なんて思って琴李京香をよく見ると、片手に俺の台本を持ってやがる。
何で勝手に……。
演技に関しては手を抜かない。
俺の台本は、俺の書き込みで、文字が見えないくらい真っ黒だ。
「でも足りないのよ。
飽きてるのかしらね。というか、女に興味がない。デショ?」
……図星。
なんでわかるんだよ…そんなこと。
「あなた、恋愛したことないでしょ。
本気の恋愛。
というか、誰かを好きになったことさえ、ないでしょ??」
「それ……は…」

