「そんなことでいいのかよ…」
そんな理由、一つに決まってる。
好きなんだ。俺はきっと好きなんだ…。
愛おしい女の子。
俺に体を預けてスヤスヤ眠る無防備な彼女。そんな彼女が愛おしい。
素直じゃない。
可愛げがない。
頼ってくれない。
強がり。
意地っ張り。
そんな篠を今は可愛いと思う。
だからこそ思うんだ。
俺の前では素直でいてほしい。
俺に頼ってほしい。
強がらないで弱い部分を見せてほしい。
意地を張らずに甘えてほしい。
篠とした約束…。
”俺が500点取れたら言うことをなんでも聞いてほしい”
取れたらどんなお願いをしよう。
一つじゃ足りない。もっと叶えてほしい願いがある。
と思うけど、約束したことはしょうがない。
そのためにも勉強しなくては。
名残惜しさを胸に、篠を寝かせる。
赤みは相変わらず残ったまま。
そんな篠の髪をかき分け、額にキスをする。
くすぐったそうに身をよじる篠。
唇にするのは篠にちゃんと想いを伝えられてからにしよう。
そして、今の俺は及川蓮。
ここにはいられない。
そうして篠の部屋を後にした。

