「せ……たぁ……」
そう言って俺の服を掴む。
「そんな風に名前を呼ぶな…」
樫月くんのことが好きなんだろう?
そんなに愛らしい声で俺を呼ぶな。
篠の目が開き、大きな瞳が俺を捉える。
「せ……た?」
そうして上半身を起こし、ベッドサイドに立っている俺に抱きつく。
ちょちょちょ………いきなり何すんだ!?
篠の体は熱い。
俺の腹辺りにすりすりと頬を擦り付ける。
クソッ……。
不覚にも可愛いと思ってしまう。
その仕草は反則だ。
抱きしめたくなる。
抱きしめて言ってしまいたい。
樫月くんじゃなくて俺にしろって。
俺は好きなんだ。篠のことが…。
「約束……だよ…。」
「え?」
篠が俺を見上げている。
「っ……//」
大きな瞳で俺を捉える。
下から見上げ篠は、瞳が潤んで上目遣いで…。
どんな女にこんな表情をされてもなんとも思わなかった俺なのに…篠だと…気になる女だとこんなに意識してしまうのか…。
「キス……しようとした理由……教えてね……」
「…………」
そうして俺を抱きしめる腕の力が弱まる。
寝たのか力が抜けたようで滑り落ちそうになる篠の体を逆に抱きしめた。

