俳優と、恋愛と。






そう言うなり酒を飲む集団の方に入っていった。





「京香さんお酒強いからなぁ」





「そうなんですか」




ぽいな、と思いながら必要最低限しか話さない。





「及川くんて本当に冷めてるよね、もっとフレンドリーだと思ってた」





何を期待してもこれが俺だ。
めんどくさがりの俺はこんなものだ。





「気を許してる人にはこんなものです」




そう。
媚を売る女子には適当に顔を作って甘い言葉を囁いておく。
軽くあしらったりなんかしない。

そんなことするのは気を許してる人だけ。





「あ、私は気を許してもらえてるんだ!
というか及川くん今帰りだよね?学校。
カツラは?」





「カツラもメガネもしてたら俺だって気づかないでしょ…」





来る前に外されたメガネとカツラ。
リボンも今は外している。
全部マネージャーの指示だけど。



「あれ、あの子、葵ちゃん?」




「?」




振り返って、杉浦みずきが見ているところを見る。




「!?」





そこにいたのは紛れもなく、篠葵だった。
なんであいつがここにいるんだ!?