「1点勝てたからって先生だってそんなすごいなんて思わねーよ」
さっきは優しく…慰めてくれたのになんなんだ。傷口に塩を塗るかのように話す瀬田。
「姉の895点にこだわりすぎなんだよ。
そんな狭い範囲しか見てないから越えれないんだっつーの。
どうせなら900点目指せ」
「…………本当……バカみたい……」
自然に笑えてくる。
瀬田がこんな簡単に言うことは私にとってはとても大きな一歩になることなのに、簡単に進める気がする。
「お前はやっぱり笑ったほうがいい」
「え……」
「…………もっと笑えよ…。
俺の前で……我慢するな…」
「瀬田……?」
瀬田の顔が近づいてきている気がするのは気のせい?私の勘違い?
いや、瀬田の顔が私の顔に……。
「あ?開いてる?
誰かいるのか〜?閉めるぞー!」
バタン、ガチャリ
瀬田の顔が止まった。
2人で顔を見合わせる。
近い!
「近すぎ!」
そう言って瀬田の体を手で押す。
すると不意打ちだったのか瀬田は後ろに派手に倒れる。
「本当に可愛げない……」
そんなことを言ってるけど私はそんなこと言っている場合じゃなかった。
外はいつの間にか日が沈みかけている。

