「っ……私っ私は……っ……」
瀬田が頭を撫でてくれる。
こうして瀬田が頭を撫でてくれるのは何回目だろうか。
「俺は決められた線路は歩かない。
お前は姉に縛られて、姉と同じようにしないとと思って、自分のしたいことできてない。
篠は、篠葵はそれでいいのか?
お前は誰かが決めた道を進むのか?」
ゆっくりだけど確実に、私の心を晴らしていく瀬田の言葉。
「進まないっ……私はっ私は……私は自分の道を歩きたいっ……自分が選んだ道を歩きたいっ」
お姉ちゃんを越えたいことは変わらない。でも私とお姉ちゃんは違う。
私がお姉ちゃんみたいにする必要はない。
私は私自身の決めたように動けばいい。比較なんてしなくていい。
「よく言えました」
相変わらず瀬田の表情はメガネで閉ざされる。
でもわかる。きっと今は微笑んで私の頭を撫でてくれている。
瀬田には助けられてばかりだ。
瀬田のくせに生意気だ。
「よし。決めた」
「え?」

