俳優と、恋愛と。






「聞いてる?
さっき先生が言ってた篠桐花って誰?」





「私の……お姉ちゃん。
私のお姉ちゃんの篠桐花」





「へー、お前姉いるんだ」




「うん…優秀な姉がね」





いつものことながら、瀬田はあまり興味がなさそう。
いいんだ、それでいい。





「で、その本は何?」





瀬田は私の持つ成績個人データの資料を指差す。





「これ…は……。
姉の頃の成績データ……」





ふーん、と言いながら瀬田が覗く。





「げ、895点とか、初めて見たそんな点数…、天才だったんだな」




やめて、瀬田までお姉ちゃんの話をしないで。




「私は勝てないの。
お姉ちゃんには一生勝てないの。
お姉ちゃんにならないと…だめなのに」





本が手から落ちる。
止まらない不安が不安を煽っていく。





「私は…私は勝たなくちゃ…。
また先生にがっかりされる……。」





「お、おい…」




耳を塞ぐ。
何もかもシャットアウトしたい。