俳優と、恋愛と。






ホームルームも終わり、放課後になる。
樫月くんと美結の姿が見えた。





「葵の上…手伝うよ」





「私も手伝う」





2人は私の前に来てそう言ってくれる。
でも私は首を振る。





「美結は彼氏さんを待たせちゃダメだよ。樫月くんも、試合前なんでしょう?」





進学校である私の学校だけど、それなりに部活動も盛んである。
体育科が作られるのではと噂が立つぐらい、クラブも本格的で、基本的に普通科の生徒で構成されている。




「そうだけど…1人はきついよ」




「私も今日だけなら別に…」





2人ともなかなか引き下がってくれない。
本当にいい友達だなぁ。





「ううん。ミスした私が悪いんだ。
この責任は自分でとるよ。
甘えてばかりじゃ公式も覚えられないしね」





そう、美結から聞いた話、私は公式の中で符号をミスっていた。
そりゃぁ答えも合わないはずだよね。




「…………わかった。
でも何かあったら連絡してくれ、学校にいるから…」





「私も……すぐ駆けつけるから…」





「2人とも大げさだよ!資料運ぶだけなんだから、過保護だなぁ」




確かに量も多いし重たいかもしれないけど持ってくるだけだ。すぐ終わる。





「…………じゃぁな」





「バイバイ、葵」





「うん。また明日」





樫月くんは私の頭を一度撫で、美結は私に手を振って教室を出て行った。
さぁ、運ぼう…。
私はデータ資料室へ向かう。