瀬田はそっか、と言ってまた勉強に戻る。
自分から聞いておいたくせに…。
私には勝てない相手がいる。
……姉だ。
姉はこの財宮司学園を首席入学し、校内テストにおいても定期テストにおいても常に1位。
私はそんな姉を目指して頑張ろうと決めた。
でも…。
「篠?」
「へ?」
前を見ると古典の先生が教卓の前に立っている。
周りも私を見つめてる。
やばい……休み時間終わってたのか…。
「読んでくれるか?」
「あ、はい…」
………。
話を聞いていなかったからどこを読めばいいかわからない…。
「えっと……」
どうしよう…。
今まで授業で集中してなかったことなんてない。
当てられたらちゃんと答えてたのに…。
お姉ちゃんに勝たないといけないのに……。
「篠?25ページのはじめから読んでくれよ」
「あ、すみません…」
先生は聞いていなかったのに気づかなかったのか、調子が悪いと思ってくれたのか、なんとか免れた。

