「あ、わかった……」
私が答えまで導かなくても瀬田は答えれるようになってきた。
これは成長と言えるのではないだろうか…。
「よし、今日の授業はここまでだ。
宿題やってこいよー」
65分の長い授業が終わりを告げる。
先生も教室から出て行く。
でも教室は静かだ。
テスト前はいつもこう。
財宮司学園の生徒は何が凄いかって、メリハリがきちんとつけられることだ。
一週間続くテストが終われば文化祭まっしぐら。
文化祭準備もままならぬこの時期にテストがあるというのはなんとも仕組まれているように感じる。
でも財宮司学園普通科のエリートの人たちは、なんでも全力で取り組みます。
文化祭を楽しむために、今は必死にテスト勉強。
せっかく10分ある休み時間も無駄にせず勉強する。何もせず時間を浪費するなんてもったいない。
「篠さんって頭いいよね」
そんな沈黙の中、小さく話しかける。
「……よくないよ。
どんなに頑張ったって…勝てないんだもん」

