「杉浦さんならどうしますか?
もし、好きか嫌いかは別として、花森香澄のように、男子の前で足を怪我して、歩けないほどの怪我だったら。
大丈夫か?って聞かれて、歩けるか?て聞かれたら、なんて答えますか?
手を差し伸べられたら、どうしますか?」
「え……っと…。
私かぁ…。私も……手を取るよ。
立たせてもらって、歩けないかも…って答えるかなぁ…」
「それはなんの質問なの?」
琴李京香はまだ近くにいたようだ。
「……普通そうですよ。それが当たり前…。それが普通ですよね…。」
「普通じゃないから気になるの?」
「………でも違うんですよ…。
今まで俺が出会ってきた女と。
媚を売ってくるような、自分を可愛く見せてくるような女と。
あいつは、俺の容姿に関係なく…、俺を、俺の中身を見てくれる…」
「そう、それでいいの」
「え?」
琴李京香の眼光が俺を捉える。
「あなたは当たり前に思いすぎていたのよ。
容姿のせいで、自分の内面を見てもらえない。
そのせいで自分をふさぎこんでいた。
めんどくさがりで、自分を表に出さないようになった。
誰も内面を見てくれない、上辺だけの関係だから。
でも、それはあなたの視野が狭いだけ。
芸能科の人が、及川蓮が実は地味なやつとわかったら、どんな反応をするかしら?」

