「葵ちゃんあんな可愛いなんて思ってなかったんだけど!
俺に紹介して欲しかったよ〜」
なんて言って俺の隣を歩くのは、俺の友達の田井暮人だ。
「お前は何で話しかけるんだよ」
「目の前にいたんだもん、思わずさ〜」
相変わらずヘラヘラ笑う暮人。
ハァ…とため息が出る。
朝から事務所に用事があった俺は、寄ってから学校に行ったので、着いたのは昼休みだった。
そして何日か前に約束していた通り、暮人と今日の放課後は出かけることになっていた。
暮人に変装はしてくるなと言われ、仕方なく家まで帰ってカツラとメガネをとり、制服から適当に私服に着替えて、ダテメをして、待ち合わせの場所まで行った。