「あんなに地味でもこんなに想ってくれる子がいるなら大丈夫だね!
じゃぁ葵ちゃん。瀬田祐樹のこと、これからもよろしくね?」
「あ…はい…」
「じゃーね〜〜」
そう言って、田井暮人は私の頭を撫で、及川蓮と去っていった。
残されたのは私と美結だけ。
「な、なに!?
え、どういうこと!?瀬田と暮人が友達!?
え、なに葵は頭撫でられてるのよ!ずるい!私も撫でて欲しかった!」
ずっと黙っていた美結が興奮する。
撫でて欲しかったって…。
確かに芸能人好きな子なら嬉しいかもしれないけど、別に私は何も感じなかった。
むしろ、瀬田に撫でられた時の方が…。
って、私は何を考えているんだ。
「まぁでもこんな間近でみれるなんて一生ないよね!いい経験だった!
さ、帰りましょ」
一人で騒ぐだけ騒いで改札を入っていこうとする美結。
元気で羨ましいよ…。
私は気になっていた。
瀬田のこと、そして、田井暮人と喋ってる時の、及川蓮の表情を。
どこか優しくて、切なげなあの表情を。
どこかで見たことがあるような…あの表情を……。

