俳優と、恋愛と。






『お、ダメガネ。遅刻とは生意気だな〜』

『葵の上に介抱してもらったとか羨ましすぎるだろ!』

『葵の上に変な真似してないだろうな〜





なんて言葉が口々に上がる。

違うよ、瀬田は私を守ってくれたの!




みんなにちゃんと言わないとと思って立ち上がろうとするけど、瀬田はそれを制した。




「篠さんおはよう」




「…………おは…よう」




私の立ち上がる前に話しかけてくる瀬田。

なんで……?
なんで今日は”篠さん”なの?


”篠”って、呼び捨てで呼んでもらえて、
タメ口で喋ってもらえて、少しは瀬田に近づけたと思ったのに、なんで?




私にはやっぱり心を開いてくれないの?
私が迷惑かけすぎたから愛想をつかしたの?



何が本当で嘘なのかわからない。
私には瀬田がわからない…。




会ったら一番にお礼を言おうと思っていたのに、忘れてしまうほど、瀬田の態度は私を混乱させた。