「でも大丈夫なの?一か八かのかけだよね、これって。
もし琴李京香に嫌われたら芸能生活最後ってことだよね」
本当にズバズバ言って来るな、こいつ。
その通りだ。嫌われたら最後。
芸能界では生きていけないだろう。
「わかってるよ。絶対俺の実力を見せつけてやる」
「わぉ、すごい自信。
まぁがんばって〜」
本気の表情をしていたかと思えば、またヘラヘラと。
こいつの考えていることはやっぱりわからない。
「3日後、琴李京香が俺の実力を見るんだってさ」
「は?」
俺の出演を決めたのは、原作者だから、琴李京香は俺が本当にこの映画の主役にふさわしいか見たいそうだ。
そのために与えられた期間は3日。
台本には白紙のページがあった。ヒロインと主人公の言葉が何か入る。
それを演技する。相手役の女も然り。
つまり、アドリブ劇。
もう台本は何度も読んだ。
優秀賞だけあって、読み応えはあったが、所詮は恋愛小説。
俺にはお安い御用だ。

