俳優と、恋愛と。





「どうしよう…瀬田の怪我が…。
私のせいで…大丈夫かなぁ…」





「それでさっきからため息ついてるの?」





「だって……」





とりあえず謝って、お礼を言いたい。
助けてくれたお礼…ちゃんと言えてないもん。

病室の記憶はあまり鮮明に思い出せない。



瀬田の声がして、瀬田の服をつかんでお礼を言ったけど、あれは瀬田だったのだろうか。

髪の色が明るかったような…。





「葵の上、学校来て大丈夫なのかい!?」




そう言って乗りこんで来たのは樫月くんだった。




「あ、うん。もう大丈夫。
心配してくれてありがとう…」





「本当に聞いた時は驚いたよ…。
葵の上がメガネ君を助けたんだって?」




「……え、違うよ。
私が瀬田に助けてもらったの。
瀬田が私を守って、山をおりてくれたんだ」




「え、そうなの?
ごめんな、俺が助けてやれなくて。
リーダーは先頭歩けって言われてたから…」




「ううん、別に全然大丈夫だよ」





樫月くんもそんなに心配してくれてたなんて親切だなぁ。





ガラ




「……瀬田……」





入って来たのは瀬田だった。
昼休みのもう終わる時間、瀬田が登校してきた。