「あ!京香さん、聞いてくださいよ!
及川君、この怪我女の子をかばったせいでおったらしいですよ!」




杉浦みずきが大声で話す。
別に深い意味はないのにそんなに事を大きくしないで欲しい。





「あー、そのこと。
本当に驚きよね〜、どんな子なの?その子」





「だから、別に深い意味はないって言ってるじゃないですか。
足滑らしたやつを無視して放っとけっつーんですか?」





「あら、今までのあなたはそんなことしたかしら?
まぁ引っ張り返したとしても、庇いはしないでしょ?」




知ったように言う琴李京香に腹が立つ





「別に俺はしたいことをしただけだ。
俺の行動に口出しはさせない。
俺はもう後悔しない。
自分が後悔しない道を選ぶだけだ。

俺はあいつに助けられた。
だから助けた。

素直じゃない。
お礼も言わない。
可愛げもない。
意地ばっか張ってるけどいい奴なんだよ。


俺は自分の意思に従って動いたまでだ。
だから俺の行動にいちいち意見するな」




思ったよりも声が大きかった。
会議室に俺の声が響く。
杉浦みずきは少し申し訳なさそうな顔をして、琴李京香は満足そうな顔をする。





「いい顔になってきたじゃない…」