「え、もしかして図星!?
やっぱり気になる女子いるじゃん!」
「いや、気になるとかじゃないんで…」
気になるといえば気になるが、それは怪我の話で…。
「怪我は山から落ちた怪我です。
考えてたのは一緒に落ちたやつのことで、熱があったから少し心配になっただけです」
端的に述べる。
これならツッコむところもないだろう。
「え、女の子を助けたの?
及川君が?女の子を?」
なぜそんなに女の子を強調するんだ…そして、なぜそんなに食いつく…。
ガタン
「あ、京香さん!こんばんは!」
「あら、みずき、こんばんは。
ん、及川蓮もいるじゃない…、へー、勉強してるの。
やる気はあるみたいじゃない。
辞書は紙辞書使ってんの?
あなたみたいな人、時間かかりそうね」
大きなお世話だ…。
朝会った琴李京香がまた目の前にいる。
随分荷物が増えているが、仕事の帰りだろうか。
「私のお古だけど、電子辞書あげようか?楽よー電子辞書は」
「いや、いいです」
「あ、そ。
それより何のお話ししてたの〜?」
辞書はせっかく篠に貸してもらっているのに、琴李京香から貸してもらう必要はない。

