「だから言っただろ…俺の好きにするって…」
「……バカ……。
ごめんなさ……い……。
でも……ありが……と………」
「………………」
そう言うとまた眠ってしまう篠。
俺の服をつかんでいた手が、力なく落ちる。
その手を布団の中に直してやる。
「………早く治せよ…バカが」
そう言って篠の頭を撫でる。
「行こう…」
「………えぇ」
マネージャーにそう告げて、篠の病室を後にした。
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マネージャーの走らす車の中、俺はぼんやりと外を眺めていた。
思い出すのは篠のことばかり。
今日のことを含めて、今までのことが思い出される。
「恋は…できたの?」
ためらいがちに聞いてくるマネージャー。
「できてたら今すぐ学校なんてやめてるよ」
恋……。できるのだろうか。
恋という感情がそもそもわからない俺にとって、恋と認めることが一番難しかった。

