「んっ.....」


あれ、私何してたんだっけ?


確か、愛菜ちゃんを助けようとして......


あっ、愛菜ちゃんは?!


けど、目隠しされてて今どこなのか分からない


手も縄で縛られて身動きが取れない

唯一、足だけは動かせるからいいけど...


「愛菜ちゃん?いるなら返事して....」

「んん、長峰様?どうして?」

愛菜ちゃんはなにがどうなっているのか分からないようだった


でも、無事でよかった.....


どうにかして抜け出さないと

そのためには目隠しを取らなきゃ


そう思って目隠しを地面で擦りながらずらしているとき―――


「あれ?もう目が覚めちゃった?」


あいつらだ......


ちくしょう、タイミングが悪い


「離してください!ここから出して!!」


愛菜ちゃんが必死にあいつらに叫んでいた


「うるせぇよ、これから楽しくなるってのによ」


一気に背中が凍りつく


「な、なにしようとしてるの?」


「言わなきゃわかんねーの?」

そう言って私の太股に手を添えてきた


「いやっ!ちょっと、なにするの!」


「ははっ、じっくり可愛がってやる」


そいつは私の体を跨いでブラウスのボタンを外してきた


「さわら、ないで....!!」


吐き気がする


「そんなこと言われたら触りたくなっちゃうじゃん~」


そいつは太股から体をなぞるようにして触ってくる


「やめっ.....!」


「あー、やべぇ、顔見てぇ~」


そう言って目隠しを外した


そいつはいやらしい顔で笑っていた


私は愛菜ちゃんがいる方に目を向けたら、ぐったりしていて反抗していなかった


私が助けなきゃ


「よそ見しないでよ~」


そいつは顔を私に近づけてきた


今!


私は思いっきり相手に頭突きをした


「いってぇ!ってめぇ!!」


相手が怯んだ隙にそのまま起き上がりそいつに回し蹴りした


さすが、自分!剣道、柔道、合気道やっててよかった


いやいや、そんなことより


まず、愛菜ちゃんに乗ってる男をどうにかしないと


「お前、何してくれてんだよ!」


「あーもう!愛菜ちゃんに触らないで!」


私は思いっきり突進


痛かった、結構痛かった


次はやめておこう



「愛菜ちゃん?しっかりして!早く立ってそこのドアから逃げて!」


愛菜ちゃんは私の変わりように驚いていた



こんな性格なのもばれたかもしれない


でも、そんなこともいってられない


「でも!長峰様は!」



「私は大丈夫だから、早く逃げてよ!」


ここにずっといたらこいつらの仲間が来るかもしれない




それにこいつらが起きてしまって愛菜ちゃんを人質にとられたらどうしようもできない


「....っ!わかりました!」



「うん、それでよし!」



さーて、これからどうやって逃げ出すかな



今のところこいつら起きる気配ないから


私もここから出ようとした


けど、足を掴まれて動けなくなった


「簡単に逃げられると思うなよ、お前」


その時



ドタドタと階段を上がってくる音がした



「ここから声したよな、」


駄目だ、こいつらの仲間が来たんだ


もう無理かも



あー、こうなったら一か八か入ってきたやつに回し蹴りしよう


それが私の最後の抵抗だ


「おい、蹴破るぞ」



せーのがさんっはい!




「こんの!!バカヤロー!!」



私の足は見事、顔にクリーンヒット!


よし!けど後ろに人がまだいた


あ、そこまで考えてなかった


「おいっ!大丈夫か?快!」


「うお~すげぇな~見事に飛んでいった」


な、なにこの人たち.......


もう、疲れた


私はそのまま倒れこんだ


「ーーーーおい、大丈夫か?しっかりしろ」


意識が途切れる前、そんな声が聞こえた