月末恒例のルージュランチが今日もやって来る。

社長を始めとする社員全員が集まった会議室は今日も大賑わいだった。

「大変なことを発見してしまったわ……」

「どうしたんですか?」

「王子が作ったチキンライスと、望月さんが作ったオムレツを一緒に食べるととてつもなく美味しいオムライスになるっ!!」

麻帆さんが取り皿片手に、ううっと悶絶しながら世紀の大発見のように声高々に言うと、隣にいたゆりあさんも同様にチキンライスとオムレツを一緒に口に運んだ。

「うわっ!!ホントだー!!美味しーい!!」

ルージュランチならではの奇跡のマリアージュは激辛姉さんの舌をも満足させたようだ。

「さっすが、公私ともに息がぴったりね!!」

「そうですね!!」

「ぶっ!!」

私は麻帆さんとゆりあさんの会話を聞くと、飲んでいたお茶を盛大に吹き出してしまった。

(なぜそれを!!)

ゲホゲホと咳き込みながら恨みがましく、先輩達をジイッと見つめた。

「若王子さんはともかく、ひばりちゃんって分かりやっすいんだものー。気づきますよねー、麻帆さん」

「そうねえ。私達としてはあの堅物をどうやって恋の谷間に突き落としたのか聞いてみたいわー」

“突き落とす”なんてそんな物騒な言い方しなくてもいいじゃないか。

どちらかといえば私の方がぞっこんなんですから!!