気がつくと涙がこぼれていた。 それに気づいた裕二さんは 少し驚いていたけれど 何も言わずに黙っていた。 花火が終わって 屋台を少しまわってから 最終バスの時間がきてしまった。 バスが来るまで一緒に 待っていてくれたけれど 私たちは一言も話さなかった。 話したいことはあった。 お互いに同じことを 思っているような気がした。 でも二人とも、それを 言葉に、しなかった。