「だってコイツ、寝言で俺のこと呼びやがるし、急に抱きついてきたし、今密室で二人きりで無防備だったんだぜ?」




俺がそう言うと佐野は運転をしながらため息をついた。




「そりゃ、しょうがないわな。俺だったらこんな可愛い子が話しかけてきた途端、押し倒すわ。」





佐野のその言葉に俺がビビる。




「それはやめろ。こいつ泣き虫だし。」



「泣いて嫌がるとか最高じゃん?」



あー…忘れてた……コイツはドSだったんだっけ。




「変態ジジイだな、まったく。」




「俺ジジイじゃねえし。まだ20代だし。」