「ねぇ、聞いてるの?」 香織ちゃんは優しいから私を心配してくれてるだけ。 ーー私は弱いから。 「だいたい、男子が苦手なんでしょ?秋野くんなんかに関わったら余計に怖くなっちゃうわよ。」 そんなことはわかってる。 わかってるけど…… 「でもね、香織ちゃん、昨日秋野くん、」 「昨日何があったかなんて知らないわよ。だけど、今日朝、怖かったでしょ?それが本当の素顔よ。」 さっき、怖かった。 鋭い視線と低い声。 さらには背が高いからかわかんないけど威圧感まであった。