「俺が生まれ育ったところはさぁ、すげー田舎で……」
先生はそこまで言うと、タバコを咥えて火をつけた。
先生ってタバコ吸うんだ……。
「煙たくない?」
「大丈夫です」
「そっか……。でさ、周りは山か田んぼか畑しかなくて、夜になると丘の上の公園に星を見に行ってたんだ」
「そうなんですね」
「あぁ、ここよりも、もっともっと綺麗に見えて、寝転ぶと吸い込まれそうになって怖いくらいだったよ。就職してマンションを買おうと思った時に、星が見えるとこがいいと思ったんだ。で、このマンションの最上階に決めたんだ」
先生はそう言ってクスッと笑った。
「星とか宇宙ってさぁ、どんなに偉い人でもどんなに金持ちでも絶対に手に入れることのできないもんなんだよ。お金では買えないもので、神様が与えてくれた最高のプレゼントだよな。そう思わね?」
先生はそう言って私の方をチラッと見た。
「そうですね。最高のプレゼントですね」
神様が与えてくれた最高のプレゼント……。
凄く素敵な言葉。
私は再び空を見上げ、星を見ていた。



