楽しそうだなぁ、二人とも。


なんだかんだ言って、お互いに大好きなんだもん。


幼馴染みで、さらに親友、って感じ?


どんなに喧嘩しても次の日には元に戻ってそうな二人だよね。



「……感動の再会中に悪いんだけど。
さっきの放送、どういうことか説明してくれないかしら?」



そんな二人を眺めていたら、それまで黙っていた朱里さんが口を開いた。


そして、全員が口を閉じる。


さっきの、放送。


歩と悠人くんがゲームをクリアして…朱里さんと桜ちゃんが許されなかったあの放送。



「……えっとね…多分、クリア条件は『佐久間さんのために何かしたことがあるか』『佐久間さんへの謝罪の気持ちは本物か』の2つのだと思うの。

これも多分だけど…さっきの言葉、桜ちゃんはもう許されてるんだと思う。
でも、一緒にいた朱里さんが信じられなくて、朱里さんと一緒にいた桜ちゃんまで信じられなくなった…んじゃないかな」



精一杯、自分の意見をのべる。


私はこれ以上考えられないけど、きっとそれが答えなんだと思うから。


「……でも、俺なんもしてねーぞ?
あいつのためになんて…なんも」


悠人くんが、少し悲しそうにそう言った。


……やっぱり、佐久間さんも歩と同じくらい、幼馴染みとして大切な人だったんだよね。


それはきっと歩も同じで。



「……そんなことないよ。
お葬式、行ったんでしょ?
すごく、悲しかったんだよね?

その悲しみ、ちゃんと佐久間さんに伝わってると思う」


「……………。そう…か…」



悠人くんの目から、一筋の涙がこぼれ落ちた。


普段の姿を見ていると、泣くなんて想像も出来ないけれど。


悠人くんだって、悲しかったはず。


その背中をぽんぽんと撫でると、悠人くんはその場に座り込んだ。


私も、その隣に座る。