ガラガラ── 教室に戻ると、Yシャツをパタパタさせて私を待っている宙が、私を見ると飛びっきりの笑顔で迎えてくれた。 「帰ろっか」 「うん!」 そして当たり前のように繋がる手と手。 これでいいんだ。 少しずつ、宙を好きになるんだ。 「帰りアイス買って帰ろっか」 さり気なくそんなこと言ってくれる。 「うん!」 「チョコミント食べよ!」 「えー。私あれスースーして苦手なのに…」 「冗談だよ。ソーダのアイスにしよっか!」